【弓具のお手入れ】

大切な弓具を長く、美しく、安全にお使いいただくためには、日々のお手入れが欠かせません。
以下に、各道具ごとの基本的なお手入れ方法をまとめました。日々のご使用の際にぜひお役立てください。


■ 弓のお手入れ

弓は繊細な素材で作られており、湿気や汚れ、直射日光などにより劣化する可能性があります。練習後のお手入れを習慣づけましょう。

  • 使用後はセーム革(鹿革製のやわらかい布)で全体をやさしく拭き、手汗や汚れを取り除いてください。

  • 特に握り革や弓の背面など、手が触れる部分は丁寧に拭き取ることで艶を保てます。

  • 保管は直射日光・高温多湿を避けた風通しの良い場所で行いましょう。

  • 弓袋に収納する際も、十分に乾かしてから入れるようにしてください。


■ 弦(つる)のお手入れ

弦は弓の性能に直結する消耗品です。劣化を防ぐためにも、清潔な状態を保ちましょう。

  • 使用後は乾いた布で軽く拭いて汗や汚れを落とすことで、弦の毛羽立ちや緩みを防げます。

  • 使用後すぐに濡れた場所に置かず、乾燥した場所で保管してください。

  • 毛羽立ちや切れ目が見られた場合は、早めに交換しましょう。無理に使い続けると、弦切れの危険があります。

  • 長期間使用しない場合は、弦を外して弓と別に保管するのが理想です。


■ 弽(かけ)のお手入れ

弽は直接肌に触れることは少ないものの、下かけの上から使用するため、手汗や湿気の影響を受けます。革の状態を保つためにも、使用後のお手入れが大切です。

  • 使用後は風通しのよい日陰で陰干しし、湿気をしっかり飛ばしてください。

  • 型を保って保管することで、型崩れを防げます。乾燥剤を入れておくと、革の傷みも防げます。

  • 使用前はぎり粉を軽く振って滑りを整え、使用後は柔らかい歯ブラシなどでぎり粉を丁寧に落としてください
    残ったぎり粉は酸化し、黒ずみや革の劣化の原因となるため、毎回のお手入れをおすすめします。


■ 矢のお手入れ

矢は羽根・シャフト・矢尻・筈(はず)など複数の繊細なパーツで構成されています。点検とお手入れをこまめに行うことで、安全な使用につながります。

  • 練習後はシャフトを乾いた布で拭き、汚れや湿気を取り除いてください。

  • 羽根はとてもデリケートなので、柔らかい筆やハケで軽く払う程度のお手入れがおすすめです。

  • 保管の際は、高温多湿・直射日光を避けた場所で、羽根が潰れたり曲がったりしないように矢筒やケースに余裕を持たせて収納してください。

  • 羽根の乱れや損傷、摩耗や接着のゆるみ、シャフトの反り、矢尻や筈の緩みなどが見られた場合は、早めの交換や修理をおすすめします。

 

【弓具の修理について】

池田弓具では、各種弓道具の修理・調整を承っております。
破損や不調が見られた場合は、無理に使用せず、まずはお気軽にご相談ください。
熟練の職人が1点ずつ丁寧に確認し、最適な方法で対応させていただきます。


■ 修理の流れ

  1. お問い合わせ
     メールまたはお電話にて、修理をご希望の道具や状態をお知らせください。
     破損箇所の写真を添えていただけますと、より正確な対応が可能です。

  2. 概算見積もりのご案内
     内容を確認のうえ、修理費用の目安や納期を事前にご連絡いたします。

  3. 修理品の発送またはご持参
     店頭にお持ち込みいただくか、宅配便にて当店までお送りください。
     ※送料はお客様のご負担となります。

  4. 修理作業
     熟練の職人が丁寧に修理を行います。内容によっては、1〜3週間ほどお時間をいただく場合がございます。

  5. ご返送または店頭お渡し
     修理完了後、宅配便でのご返送またはご来店でのお渡しが可能です。


■ ご注意事項

  • 修理の可否は、道具の状態や破損の程度により異なります。まずはご相談ください。

  • 状態によっては修理をお受けできない場合もございます。

  • 修理不可の場合には、「修理不可証明書」の発行にも対応可能です(別途ご相談ください)。


お客様の大切な弓具を、末永く安心してご使用いただけるようサポートいたします。
どうぞお気軽にお問い合わせください。